登録支援機関比較

特定技能の失踪対応は安全確認と14日以内の届出

ここでいう「失踪」は、本人が職場にも寮にも現れず、連絡もつかない状態です。会社がまず考えるべきは、届出より先に、本人が無事かどうかです。

最初の日にすることは?

急な病気や事故で連絡できないこともあります。思い込みで「逃げた」と決めつけず、次の順に当たります。

連絡が取れない日にすること
  1. 1電話とメッセージを送る本人の携帯・普段使うアプリに、時刻を控えて連絡する
  2. 2寮や部屋を確かめる管理人と一緒に、在室・私物・郵便物の様子を見る
  3. 3同僚と上司に聞く最後に会った日・様子・話していたことを聞く
  4. 4委託先に知らせる登録支援機関に伝え、本人の言語で連絡してもらう
  5. 5警察に相談する事故や事件が心配なときは、ためらわずに相談する

入管の運用要領でも、受入れ中に死亡したり労働災害が起きたりしたときは、労働基準監督署や警察に届け出るなど適切に対応するとされています。安全の確認が、すべての手続きの前に来ます。

いつ「行方不明」として届け出る?

運用要領には、何日連絡が取れなければ行方不明とする、という日数は書かれていません。安全の確認を尽くしても所在が分からないと判断した日が、届出の起点になります。

行方不明は受入れ困難に当たり、受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)を出すとされています。期限について、入管の案内では受入れ困難の届出は、退職や1か月以上働けない原因になる事由が生じた日から14日以内(実際に退職した日などではない)とされています。

添える書類も決まっています。行方不明のときは「行方不明が判明した際の状況説明書」(参考様式第5-15号)に具体的に書いて付けるとされています。

14日を過ぎても出せます。14日を過ぎても出せる。すぐに出し、遅れた理由を説明する文書を必ず付けるとされています。ただし、届け出ないままにするのは重い違反です。運用要領では、行方不明を届け出ず、入管の摘発などで初めて分かった場合は、届出を怠った例に当たるとされています。

届出の様式と出し方は特定技能の届出一覧で確かめられます。

委託先の登録支援機関は何をする?

支援を全部任せているなら、委託先にも報告の義務があります。全部委託の登録支援機関も、支援する人の行方不明や死亡を知ったら入管に報告するとされています。登録支援機関の報告は、報告が要る場面に当たった日から14日以内です。

会社の届出と委託先の報告で、日付や経緯が食い違わないようにします。最後の面談の日と内容を、委託先から写しでもらってください。

会社の受け入れに響く?

行方不明が出たことだけで、すぐ受け入れられなくなるわけではありません。基準は「会社の責任で出したか」です。

省令の基準は、受入れ機関の責任で、契約の前1年以内と契約後に外国人の行方不明者を出していないこと(特定技能基準省令2条1項3号)です。運用要領では、「責任がある」とは、雇用条件どおりに賃金を払っていない、支援計画を守っていないなど、違反があった期間に行方不明になった場合とされています。そのうえで、違反があった期間なら、行方不明者が1人でも基準に合わなくなるとされています。

会社の状況 基準への響き方
給料を条件どおり払い、支援も計画どおり 「責任がある」の定義に当たらない
給料の不払いや支援の不実施があった期間 1人でも基準に合わない

だからこそ、給料と支援の記録が決め手になります。

どんな記録を残す?

届け出たあとも調査があり得るので、出勤簿や賃金台帳を保存期間のあいだ保管し、見せられるようにするとされています。行方不明に気づいた日から、次の記録を残してください。

記録すること 中身 持っている人
連絡を試みた記録 日時・方法・相手 担当者
最後の出勤と給料 出勤簿・賃金台帳 会社
寮の様子 確かめた日と状態 担当者・管理人
最後の面談 面談の報告書 委託先
旅券と在留カード 会社が預かっていないこと 会社

旅券と在留カードは、本人が持つものです。支援計画では、旅券や在留カードの取り上げなどを知ったときは、地方の入管に通報することになっています。会社が預かっていたなら、それ自体が問題になります。

記録は、気づいた事実をそのまま書きます。あとから書き換えたり、日付を整えたりしないでください。

その後の手続きは?

本人が戻らず、雇用契約を終えることになれば、契約終了の届出も要ります。雇用契約が終わったら、終わった日から14日以内に、受け入れていた会社が入管に届け出る(参考様式第3-1-2号)とされています。

ハローワークへの届出もあります。外国人が辞めたときは、事業主がハローワークに外国人雇用状況の届出をする。雇用保険に入っている人は資格喪失届で、離職の翌日から10日以内。入っていない人は翌月末日までとされています。退職の手続きの全体は特定技能の転職・退職で会社がする手続きで確かめられます。

例:月曜の朝から連絡が取れないなら?

仮に、寮に住む1名と、月曜の朝から連絡が取れないとします。

月曜は、表の順に電話・寮・同僚・委託先に当たり、時刻を控えます。寮に私物が残っていて事故が心配なら、その日のうちに警察に相談します。

数日たっても所在が分からず、私物もなくなっているなら、行方不明と判断します。その日から数えて14日以内に、受入れ困難の届出と状況説明書を出します。委託先にも、同じ日付で報告を出してもらいます。

防ぐために見直すことは?

運用要領は、会社は本人の相談に真剣に応じ、生活と仕事が安定するよう対応して、行方不明を防ぐとしています。相談できる窓口があるかが、まず問われます。

相談・苦情への対応は、1週間に勤務日3日以上と休日1日以上、就業時間外(夜間)にも対応できることが求められるとされています。夜勤明けや休日に本人が相談できるかを、委託先の受付時間で確かめてください。比べ方は登録支援機関の夜間・土日対応で確かめられます。相談の時間や言語で委託先を見直すなら、会社一覧で候補を探せます。

次にやること

  • 今日から、連絡を試みた日時・方法・相手を記録します。
  • 委託先に、最後の定期面談の報告書と、本人の言語での連絡を頼みます。
  • 行方不明と判断した日を決め、14日以内に第3-4号と第5-15号を出す準備をします。

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出典