登録支援機関比較

登録支援機関の委託料の相場と見積書の読み方|月額に入る支援・在留の申請が別料金になる理由・本人に負担させない費用

特定技能の外国人を受け入れた会社には、その人が日本で暮らしていけるように支援をする決まりがあり、この支援を会社の代わりに引き受けるのが「登録支援機関」です。登録支援機関に支援を任せると外国人1人ごとに毎月かかる料金を「委託料」といい、額に法令上の上限は無いので、いくらにするかは機関ごとに決めています。

結論

  • 入管庁が2022年9月末の時点で集計した委託料(1人あたりの月額)は、平均が28,386円で、全体の約90%が3万円以下でした。見積もりが月3万円を超えるなら、月額に何が入っているかを聞いてください。
  • 会社がしなければならない10項目の支援が、月額に全部入っているとは限りません。入国の前後に1回だけする支援(入国前の説明・空港などへの送迎・暮らしのルールの説明)を、月額とは別の料金にしている機関があります。
  • 在留の申請の書類を、報酬を受け取って作れるのは行政書士と弁護士だけです。なので、在留の申請の代金は委託料とは別に見積もってもらい、足してから比べてください。
仮の例:見積書に「1名あたり月20,000円(税別)」と書いてある仮の数字
税込の月額(消費税10%)
20,000円 × 1.1 = 22,000円
1年分の委託料
22,000円 × 12か月 = 264,000円
入国の前後に1回だけする支援が別料金なら
その代金
1年目に払う額264,000円 + 1回だけの支援の代金

※ 数字は、計算の仕方を見せるための仮のものです。

※ 税込の22,000円は入管庁の平均より安く見えますが、1回だけの支援が別料金なら、1年目に払う額はその分ふえます。

委託料の相場

入管庁は、2022年9月末に日本にいた特定技能の外国人について、在留の許可の申請で「登録支援機関に有料で任せる」とされていた委託料を集計しています。数えたのは外国人70,404人分で、金額の幅で最も多かったのは20,000円超〜25,000円以下(26.2%)でした。

一方、登録支援機関の一覧に載せている33機関のうち、1人あたりの月額を公式サイトに書いていたのは24機関です。2つを並べると、次のようになります。

見るもの 入管庁の調査 掲載機関
時点 2022年9月末 2026年10月
数えたもの 外国人の契約 公式サイトの額
真ん中あたり 平均28,386円 中央値20,000円
月3万円以下 約90% 全部

掲載機関の数字は、「2万円から」のように幅を書いている機関を、いちばん安い額で数えています。また、税込か税別かの書き方もそろっていません。

  • 月額を税込で書いている機関:6機関
  • 月額を税別で書いている機関:6機関
  • 税込か税別かを書いていない機関:12機関

なので、見積もりを比べるときは、どの機関の額も税込に直してから並べてください。参考までに、公式サイトの月額を税の書き方のまま12か月分にして1年の額に直すと、掲載機関では最も安い機関が66,000円、真ん中が240,000円、最も高い機関が360,000円です。

各機関の料金の書き方は、登録支援機関の一覧の各機関のページで見られます。委託先から値上げを打診されたときに聞くことは、2027年4月の改正で今の委託先を続けられるかで確かめられます。

月額に入る支援と別料金の支援

受け入れた会社が外国人のために必ずしなければならない支援は10項目あり、入管庁は「義務的支援10項目」と呼んでいます。支援を登録支援機関に全部任せるときは、この10項目をまとめて任せることになります。

ただし、10項目の代金が全部月額に入っているかは、機関によって違います。掲載33機関の公式サイトで、それぞれの支援を「月額とは別の料金(初期費用・1回ごとの料金・実費)」と書いている機関を数えると、次のとおりです。

10項目の支援 別料金と書く機関
事前ガイダンス 6機関
空港などへの送迎 5機関
住まいの確保 3機関
生活オリエンテーション 5機関
役所の手続きへの同行 3機関
日本語の学習 2機関
相談・苦情への対応 1機関
日本人との交流 1機関
転職の手伝い 1機関
定期的な面談 2機関

事前ガイダンスは、入国の前に働く条件などを本人に説明することです。生活オリエンテーションは、入国のあとに日本での暮らしのルールや役所の使い方などを説明することです。

この2つと送迎・住まいの確保は、入国の前後に1回する支援で、別料金と書く機関が多めでした。一方、3か月に1回以上の面談や相談への対応のように、ずっと続く支援を別料金と書いている機関は1〜2機関で、料金の欄に「月額で10項目を全部する」と書いていた機関は1機関でした。

見積書の読み方

登録支援機関は、登録を申請するときに、入管に「支援委託手数料に係る説明書」という書類を出しています。10項目ごとに、1人あたりの金額と、払う時期が「随時」か「定期」かを書く書類です。

支援委託手数料に係る説明書(予定費用)の見本数字は仮

事前ガイダンス○○円・随時①
出入国する際の送迎○○円・随時①
相談・苦情への対応○○円・定期②
定期的な面談・行政機関への通報○○円・定期②
合計○○円③
  1. ①「随時」は、その支援をしたときに払う料金です。入国の前後に1回する支援が随時なら、最初の数か月の支払いが大きくなります
  2. ②「定期」は、決まった時期ごとに払う料金です。見積書の月額に、どの項目が入っているかを見比べます
  3. ③10項目の合計です。「事前ガイダンス・生活オリエンテーション」のように、2つの支援を1つの行にまとめて書いてもよいことになっています

この説明書の額は登録の申請のときの予定なので、実際の契約の額と同じとは限りません。ただし、登録支援機関は、支援を任せる会社に、費用の額と内訳を示すことが求められています。

なので、見積もりを頼むときは「入管に出した支援委託手数料の説明書と同じ形で、10項目ごとの金額と、随時か定期かを書いてください」と頼むと、別料金の支援を見つけやすくなります。入管庁の運用要領(手続きの手引き)も、委託先を決めるときは複数の機関から見積もりを取り、支援の中身を確かめてから契約するよう書いています。

在留の申請が別料金になる理由

外国人が日本で働き続けるには、在留資格の許可や、在留期間の更新(日本にいられる期間を延ばすこと)を入管に申請する必要があります。この申請は、10項目の支援とは別の手続きです。

10項目の支援と、在留の申請の違い

10項目の支援

  • 委託料の中身
  • 登録支援機関が、会社の代わりにする
  • 費用を外国人本人に負担させない

在留の申請

  • 委託料とは別の手続き
  • 報酬を受け取って書類を作れるのは行政書士・弁護士
  • 承認を受けた登録支援機関の職員は、窓口に出せる

2026年1月1日からは行政書士法19条が改められ、行政書士でない人が、どんな名目であっても報酬を受け取って役所に出す書類を作ってはいけないことが、条文に書かれました。入管庁も、弁護士と行政書士以外の人が報酬を受け取って申請書を作ると、行政書士法違反に当たるおそれがあるとしています。

登録支援機関の職員は、地方の入管の局長から前もって承認を受ければ、申請書を窓口に出すこと(申請取次)ができます。ただし、取次でできるのは書類を出すことなどで、本人の代わりに署名したり、書いてある内容を直したりはできません。

掲載機関では、在留資格の申請の代金や行政書士の報酬を、月額とは別に書いている機関が8機関ありました。在留期間の更新の代金を金額で書いている3機関では、1回あたり25,000円から60,000円で、更新を月額に含むと書いている機関は2機関でした。

また、更新などが許可されたときに国に納める手数料は、2026年10月1日から、許可される在留期間の長さによって額が変わりました。この手数料は、行政書士の報酬とも委託料とも別のお金です。

本人に負担させてはいけない費用

支援にかかる費用は、直接にも間接にも、外国人本人に負担させてはいけない決まりです。入管庁の運用要領では、この「支援にかかる費用」に、登録支援機関への委託料も含まれます。

見積書や雇用の条件の行ごとに、誰が払うかを次の表で確かめてください。「会社側」は、受け入れた会社か、支援を任せた登録支援機関のことです。

費用 払うのは
委託料 会社側
ガイダンスや面談の通訳代 会社側
空港などへの送迎の交通費 会社側
通院に付き添う人の交通費・日当 会社側
家賃保証会社の保証料 会社側
家賃などの実費 本人も可
本人が借りる部屋の敷金・礼金 本人

家賃などの実費は、必要な限度で本人に負担させてよいとされています。また、会社側の案内で、役所への同行の代わりに申請取次を使うときは、その費用も会社側が負担します。

2年分の総額の比べ方

委託料は、1年目だけで比べると、入国の前後に1回だけする支援の代金が大きく見えます。なので、2年分を足して比べると、機関どうしの違いが分かりやすくなります。

仮の例:外国人1人を2年間任せる。月額は税込22,000円、在留期間の更新は1年に1回仮の数字
委託料
22,000円 × 24か月 = 528,000円
入国の前後に1回だけする支援(事前ガイダンス・送迎・生活オリエンテーション)
50,000円 × 1回 = 50,000円
在留期間の更新の代金(行政書士の報酬)
30,000円 × 2回 = 60,000円
2年分の総額(国に納める手数料は別)638,000円

※ 数字は、足し方を見せるための仮のものです。

※ 1回だけの支援は2年目にはかからないので、1年あたりの額は2年目から下がります。月額が少し高くても、1回だけの支援や更新の代金が月額に入っている機関なら、2年分で並べると安くなることがあります。

機関によっては、2年目から月額を下げる、人数がふえると1人あたりの単価を下げる、と書いているところもあります。何人を何年任せる予定かを伝えてから見積もりを頼むと、この割引も入った額で比べられます。

比べた結果、途中で委託先を替えるときの段取りと届出は、登録支援機関を乗り換える手順と届出で確かめられます。

決める前に立ち止まる場面

今日やること

  1. 1見積書を税込の年額に直す税別なら1.1倍し、12か月分の月額と、月額とは別の料金を足す
  2. 2同じ形で見積もりを頼む登録支援機関の一覧から3機関を選び、「10項目ごとの金額と、随時か定期か、在留の申請の代金と、書類を誰が作るかを書いてください」と頼む
  3. 3本人に払わせる行が無いかを見る見積書と雇用の条件に、通訳代・送迎の交通費・保証料を本人に払わせる行が無いかを確かめる

出典