支援計画書は、特定技能の外国人の生活と仕事を支える予定を書いたものです。在留の申請に付けます。
支援を全部委託しても、支援計画を作るのは受け入れ会社(登録支援機関は作成の補助ができる)とされています。委託先が下書きを作っても、出す責任は会社にあります。提出書類一覧表では、1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)は、本人の署名と本人が分かる言語での記載が要るとされています。
計画書はどんな欄でできている?
支援計画書(参考様式第1-17号)は、Ⅰ〜Ⅴの5つの欄でできています。全部を委託する場合の書き方は、次のとおりです。
| 欄 | 中身 | 全部委託のとき |
|---|---|---|
| Ⅰ 支援対象者 | 本人の氏名・国籍など | 書く |
| Ⅱ 受け入れる会社 | 会社の名前・住所 | 体制の概要は不要 |
| Ⅲ 登録支援機関 | 登録番号・担当者など | 書く |
| Ⅳ 支援内容 | 支援ごとの予定・担当 | 委託の有無は「無」 |
| Ⅴ 共生施策 | 市区町村の施策の確認 | 書く |
入管の様式の注意書きでは、支援計画書のⅢ欄(登録支援機関)は、支援計画の全部を登録支援機関に任せる場合だけ書くとされています。自社で支援する会社は、Ⅲ欄を空けてⅡ欄の体制の概要を書きます。
「実施予定」と「委託の有無」はどう書く?
Ⅳ欄の各行には「実施予定」と「委託の有無」の2つの欄があります。書き方は記載例の注意書きで決まっています。
- 実施予定:「実施予定」が「有」なら時期を短く書き、「無」なら実施しない理由を括弧内に書く
- 委託の有無:「委託の有無」は、自社で支援する場合と登録支援機関に全部を任せる場合は「無」と書く
全部委託なのに「有」と書く間違いが起きやすい欄です。記載例には、登録支援機関は支援を再委託できないので、全部委託の計画書の「委託の有無」は全部「無」と書かれています。
「無」にできるのは、その人に要らない支援だけです。たとえば、すでに日本にいる人は、空港での出迎え(a欄)を「無」にしてよいとされています。ただし、義務的支援は全部行う必要があり、1つでも行わなければ支援計画を適正に実施していないことになる(明らかに不要な支援は除く)とされています。「無」には必ず理由を書きます。
支援の一部だけを任せる場合は、書き方が変わります。支援の一部を任せるときは、任せる範囲を支援計画にはっきり書くとされています。
担当者は誰の名前を書く?
支援計画には、支援責任者と支援担当者の名前と役職を書く(特定技能基準省令3条1項4号)とされています。全部委託なら、委託先の支援担当者の名前と役職を行ごとに書きます。
担当者には、本人と距離を置ける人を選ぶ決まりがあります。
- 中立性:支援責任者と支援担当者は、本人に指揮命令する立場にない人にする
- 全部委託の適正性:全部委託の支援責任者は、会社の役員の配偶者・2親等以内の親族や、過去5年以内に会社の役員・職員だった人ではないこと
社長と数名だけの会社では、本人に指示しない立場の人を社内に置くのが難しいことがあります。その場合は、全部を委託するのが現実的です。自社で支援する条件は特定技能を自社支援する条件で確かめられます。
言語と実施方法はどう書く?
各支援の「実施言語」には、本人が十分に分かる言語を書きます。担当者以外が通訳するなら、通訳者の所属と氏名も書きます。
計画書は本人の言語に訳して渡します。記載例の署名欄は、本人は、計画書の翻訳文を受け取り、説明を受けて理解したことを署名で示す形です。訳だけ渡して説明を省くことはできません。
時期の決まりがある支援もあります。事前ガイダンスは、在留の申請より前に行うとされています。あわせて、事前ガイダンスの確認書(参考様式第5-9号)を、支援を行う事務所に備えておくとされています。
定期面談をオンラインで行うなら、本人の同意を計画書で取ります。本人のオンライン面談への同意は支援計画書の欄と署名で確かめる。同意を確かめた書面は帳簿として保存するとされています。
相談・苦情の欄で確かめることは?
Ⅳ欄6の相談・苦情には、曜日ごとの対応時間と、相談の方法(面談・電話・メール)を書きます。運用要領では、相談・苦情への対応は、1週間に勤務日3日以上と休日1日以上、就業時間外(夜間)にも対応できることが求められるとされています。
記載例の注意書きも同じ考え方です。通常の相談は、できる限り複数の職員をそろえ、本人の就業時間外にも対応できることが求められるとされています。緊急時については、事故などの緊急時の連絡先を設け、いつでも連絡を受けられる体制が望ましいとされています。
本人が夜勤や土日の勤務をするなら、その時間に連絡が届くかを確かめます。委託先の受付時間の比べ方は、登録支援機関の夜間・土日対応で確かめられます。
定期面談は何回書く?
定期面談は、本人と、本人を監督する立場の人のそれぞれと、3か月に1回以上行うとされています。本人と上司は別々に数えます。
仮に、支援内容が同じ3名を、同じ月に受け入れるとします。
- 本人との面談
- 3名 × 年4回
- 監督する立場の人との面談
- 3名 × 年4回
※ 3か月に1回の最少で数えています。数字は例です。
面談をする人も決まっています。定期面談は、支援計画書に書かれた支援責任者か支援担当者が行う。替わったときは支援計画変更の届出(参考様式第3-2号)が要るとされています。委託先の担当者が多く入れ替わると、そのたびに届出が要ります。
Ⅴ欄の「共生施策」とは?
計画を作るときは、市区町村の共生施策を確かめ、確かめた市区町村と確認日を書くという欄です。市区町村が外国人向けに行っている施策(相談窓口や日本語教室など)を、ホームページなどで確かめます。
働く事業所の市区町村と、住む市区町村が違うなら、両方を確かめます。確かめた日と方法も書きます。
委託契約とどう照らし合わせる?
計画書に書いたことは、委託契約で約束されていなければ実行されません。署名の前に、次の表で照らしてください。
| 計画書の欄 | 委託契約で確かめること | 合わないとき |
|---|---|---|
| 担当者の名前 | 担当者が契約上の人か | 名前を直す |
| 実施言語 | 通訳費が料金に入るか | 見積もりを取り直す |
| 実施方法 | 対面のときの交通費 | 方法か費用を決める |
| 相談の時間 | 受付時間と緊急連絡 | 窓口を足す |
| 実施予定 | 初期費用の項目 | 抜けた支援を足す |
支援計画書の作成そのものを料金に挙げる機関もあります。やまざきA&M行政書士事務所は、支援計画書作成を4万4,000円(税込)としています。行政書士みなと国際事務所は、事前ガイダンスとオリエンテーションに計画書の作成を含めて11万円(税区分は要確認)としています。
見積もりの読み方は、登録支援機関の費用相場と見積書の読み方で確かめられます。各支援の中身と、受け取る記録は義務的支援10項目と確認方法で確かめられます。
計画を変えたときは?
担当者や委託先が変わったら、届出が要ります。届出は特定技能所属機関による支援計画変更に係る届出(変更から14日以内)です。届出に添える支援計画書は、変わった部分だけを書けばよいとされています。
複数名を受け入れる場合は、提出の手間を減らせます。支援内容が同じなら、1人目の計画書と名簿で申請できます。支援内容が同じ複数名は、1人目の計画書と名簿で申請できるが、計画書は全員に渡すとされています。
委託先を探すなら、会社一覧で料金と対応する言語を比べられます。
次にやること
- 委託先に、記載例(全部委託)に沿った下書きと、担当者の履歴書を頼みます。
- 照らし合わせの表の5項目を、委託契約書と1行ずつ見比べます。
- 働く場所と住む場所の市区町村のホームページで共生施策を確かめ、確認日を控えます。