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特定技能の雇用契約書の記入例と雇用条件書の書き方

特定技能の外国人を雇うときは、入管への申請に雇用契約書と雇用条件書の写しを付けます。入管庁は書き方の見本として「参考様式」を出しています。

参考様式を使わなくてもよいが、ほかの様式なら労働関係の法令を守り、申請に必要な項目を書くとされています。自社の様式で作っても構いません。ただし、参考様式の欄が全部そろっているかを確かめてから出してください。

雇用契約書(第1-5号)には何を書く?

雇用契約書は、別添の雇用条件書に書いた内容に従って契約を結ぶ、という形の書面です。書き込むのは、会社名と代表者、本人の署名、結んだ日だけです。

本文には、次の4つの決まりが印刷されています。署名の前に、本人に説明してください。

  • 雇用は、上陸許可か在留資格の変更許可などを受けた日から1か月以内の、会社と本人が合意した日から始めること
  • 雇用条件書の契約期間(始まりと終わり)は、実際に雇用を始める日に合わせて変わること
  • 本人が在留資格を失った時点で、雇用契約は終わること
  • 契約書と雇用条件書は2部作り、会社と本人が1部ずつ持つこと

入管の提出書類一覧表では、雇用契約書の写し(参考様式第1-5号)には、本人の署名と、本人が十分に理解できる言語での記載が要るとされています。日本語だけの契約書に署名をもらっても、そのままでは出せません。

雇用条件書はどの順に埋める?

雇用条件書は、Ⅰ〜Ⅸの欄と、別紙「賃金の支払」でできています。上から順に埋めると、次のようになります。

欄 書くこと つまずく点
Ⅰ 契約期間 始まり・終わり・更新 許可の日で動く
Ⅱ 就業の場所 雇入れ直後と変更の範囲 複数の場所
Ⅲ 業務 分野と業務区分 試験の区分と合わせる
Ⅳ〜Ⅵ 時間・休日・休暇 時刻・日数・有給 一時帰国の休暇
Ⅶ 賃金 基本給・手当・控除 1時間あたりの額
Ⅷ・Ⅸ 退職・その他 解雇・保険・相談窓口 帰国旅費

Ⅰの契約期間は、許可が出る日によって後ろにずれます。雇用契約書の決まりで期間が動く形になっているので、入国予定日や許可の見込みで書いて構いません。

働く場所と業務の「変更の範囲」はどう書く?

記載例では、働く場所と業務は「雇入れ直後」と「変更の範囲」の2段で書く形です。将来、別の事業所に移す可能性があるなら「変更の範囲」に書きます。

働く場所が複数あるときは、主な場所をはっきり書いたうえで、全部書くとされています。たとえば工場が2か所あり、繁忙期だけ応援に行かせるなら、2か所とも書いてください。

書いてあっても、実際に移すときの手続きは別に要ります。別の事業所へ転勤させたときは、雇用契約の変更の届出が要るとされています。

派遣で雇えるのは農業と漁業の分野だけです。製造業や介護で派遣の形を選ぶことはできません。

Ⅲの業務区分は、本人が合格した試験の区分と同じ言葉で書きます。違う区分を書くと、試験の合格とつながらなくなります。

賃金の欄で何を確かめる?

Ⅶの賃金は、別紙「賃金の支払」に細かく書きます。月給・日給のときは、1時間あたりの金額も書くことになっています。

仮に、月給19万2,000円で、1か月の所定労働時間が160時間とします。

仮の例:月給から1時間あたりの金額を出す仮の数字
月給
19万2,000円
1か月の所定労働時間
160時間
1時間あたりの金額1,200円

※ 月給 ÷ 所定労働時間で計算します。数字は例です。

この1時間あたりの額で、同じ仕事をする日本人と比べます。入管のQ&Aでは、報酬が日本人と同等以上、所定労働時間が通常の労働者と同等、一時帰国を望むときは必要な有給休暇を取らせるよう求めています。比べ方は特定技能の給料と日本人の比較方法で確かめてください。

固定残業代を払う会社は、書き方に決まりがあります。固定残業代があるときは、固定残業代を除いた賃金の額、時間数と金額の計算方法、超えた分を追加で払うことを書くとされています。

給料から寮費などを引くときは?

給与から定期に負担する費用を控除するときは、雇用条件書(参考様式第1-6号)に控除する費用の名目と額を確実に書き、本人が十分に理解できるようにするとされています。記載例の別紙では、控除する項目の欄は、どの項目でどれだけの額が賃金から引かれるかを本人に説明するための欄と説明されています。

寮費・食費・水道光熱費を引くなら、項目と金額を全部書きます。寮費の上限と、労使協定の結び方は特定技能の住居の条件と家賃を引く手続きで確かめられます。

休暇と帰国の欄で落としやすいことは?

Ⅵの休暇には、一時帰国の休暇の行があります。本人が一時帰国を望んだら、年次有給休暇などの範囲で必要な休暇を取らせると書かれています。

Ⅸの「その他」では、次の2つを落としやすいです。

  • 雇用管理の改善などの相談窓口(部署・担当者・連絡先)を書くこと
  • 契約が終わって本人が帰国旅費を払えないときは、会社が負担すること

通算5年を超えて有期の契約を続ける場合は、無期雇用に変わる権利の欄もあります。無期雇用に変わったあとの労働条件に変更があるときは、別紙2を使うとされています。

ほかの書類とどこが食い違いやすい?

雇用条件書は、申請書や支援計画書と同じ内容でなければいけません。出す前に、次の表で突き合わせてください。

項目 照らす書類 合わないとき
契約の開始日 申請書の入国予定日 条件書を直す
勤務地 支援計画書の住居 通勤できるか見直す
業務区分 試験の合格証明 区分をそろえる
給与 日本人の給与 根拠を作り直す
署名と言語 本人の分かる言語 訳を付けて署名し直す

雇用条件書(第1-6号)・雇用の経緯に係る説明書(第1-16号)・支援計画書(第1-17号)は、本人が十分に理解できる言語で作り、本人が理解したうえで署名するとされています。翻訳した様式は入管庁のページにあります。

全体の申請の順番は、特定技能の受入れ手順と働き始めるまでの期間で確かめられます。

建設分野はどこが違う?

建設分野は、入管の申請の前に国土交通省の認定が要ります。報酬の決め方にも上乗せの決まりがあります。

国土交通省の告示では、同じ技能を持つ日本人と同じ額以上の報酬を安定して払い、技能の習熟に応じて昇給し、そのことを雇用契約に書くよう求めています。雇用条件書の昇給の欄は、空けずに具体的に書いてください。

なお、国土交通省の認定は、雇用条件書などが労働基準法に照らして適法だと認めたものではない。入管の審査で在留資格が認められないこともあるとされています。認定が出ても、雇用条件書の中身は会社が自分で確かめます。分野の手順は建設分野の特定技能で確かめられます。

契約したあとに条件を変えるときは?

変える中身によって、入管への届出が要るかが分かれます。運用要領では、基本賃金を減らすときは、雇用契約の変更の届出が要るとされています。逆に、基本賃金を上げるなど、外国人に有利な賃金の変更は届出が要らないとされています。

給料から引く項目を変えるときも注意します。雇用条件書の「労使協定に基づく賃金支払時の控除」を「無」から「有」に変える(またはその逆)とき、控除する項目を増やすときは、雇用契約の変更の届出が要る。控除をやめて本人の実費負担が増えたときも要るとされています。

届出が要らない変更でも、変更後の雇用条件書は外国人のいる事業所に保管することになっています。届出の様式と期限は特定技能の届出一覧で確かめられます。

支援を任せる登録支援機関には、雇用条件書の写しを渡します。事前ガイダンスで条件を説明するのが支援の1つ目だからです。委託先を探すなら、会社一覧で料金と対応する言語を比べられます。

次にやること

  • 入管庁の参考様式(第1-5号・第1-6号)と、本人の母国語の訳を入手します。
  • 給与を1時間あたりの額に直し、同じ仕事をする日本人の額と並べます。
  • 表の5項目で、申請書・支援計画書と食い違いがないかを確かめてから署名をもらいます。

月額と10項目の○△-を機関ごとに見る →
委託料の見積もりで確かめる項目 →

出典