登録支援機関比較

介護分野の特定技能|受け入れられる事業所と人数枠・人員配置基準での数え方・訪問介護の条件・試験・協議会・介護福祉士への移行

「介護分野」は、特定技能(人手が足りない分野で、一定の技能と日本語の力を持つ外国人が働ける在留資格)の分野の1つです。介護施設や介護の事業所で、入浴・食事・排せつの介助などの仕事をしてもらうためのもので、厚生労働省が受け持っています。

この分野で2024年度から2028年度の末までの5年間に受け入れる特定技能1号の人数は、12万6,900人が上限とされています。受け入れる人数が上限を超えそうになると、外食業分野の特定技能のように在留資格認定証明書の交付が止まることがあるので、受け入れの前に厚生労働省と入管庁のお知らせも見ておくと安心です。

結論

  • 受け入れられるのは、介護福祉士国家試験の受験資格で「実務経験」として認められる介護の事業所です。人数は事業所ごとに、日本人等の常勤の介護職員の数までで、技能実習生や留学生、看護師や事務職員はこの数に入りません。
  • 人員配置基準(介護保険の報酬を受けるために置く職員の数の決まり)では、特定技能1号の人は働き始めた日から職員として数えられます。訪問介護も2025年4月21日から認められましたが、初任者研修と原則1年の実務経験が要り、協議会から「適合確認書」を受けてからです。
  • 介護分野には特定技能2号がありません。長く働いてもらうには、通算5年のうちに介護福祉士の国家試験に合格してもらい、在留資格「介護」に変えます。5年目の試験で一部のパートに合格していれば、最長1年延ばせる場合があります。
仮の例:特別養護老人ホームの1つの事業所で、特定技能1号を何人まで受け入れられるか仮の数字
日本人の常勤の介護職員
8人
在留資格「介護」で働く常勤の介護職員
1人
永住者で常勤の介護職員
1人
技能実習生・看護師・事務職員(数えない)
0人
受け入れられる特定技能1号の上限10人

※ 人数は、数え方を見せるための仮のものです。

※ 数えるのは「介護を主な仕事にしている常勤の職員」だけです。上限の10人には、すでに受け入れている特定技能1号の人も含みます。

受け入れられる事業所と仕事

介護分野の外国人にしてもらう仕事は、身体介護等(入浴・食事・排せつ・整容と着替え・移動の介助など)です。これに付いて行う、レクリエーションの実施や機能訓練の補助もしてもらえます。

日本人の職員もふだんしている、お知らせの掲示物の管理や物品の補充のような仕事を、ついでに頼むこともできます。ただし、そうした仕事だけをさせることは認められていません。

受け入れる事業所は、介護福祉士国家試験の受験資格で「介護等の業務」の実務経験として認められる仕事をさせられる事業所に限られます。厚生労働省が「対象施設」の一覧を出しているので、自社の事業所の種類が載っているかを確かめてください。

対象施設の一覧の見方

一覧に載っている事業所(主な例)

  • 特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院
  • 通所介護(デイサービス)・短期入所(ショートステイ)
  • 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
  • 訪問介護・訪問入浴介護(訪問系は次の章の条件つき)
  • 障害者支援施設・病院・診療所など

一覧の注で条件が付く事業所

  • 有料老人ホーム・軽費老人ホーム:特定施設入居者生活介護を行うものだけ
  • サービス付き高齢者向け住宅:有料老人ホームの要件を満たすものだけ
  • 小規模多機能型居宅介護:その中の訪問の仕事は除く

雇い方は、受け入れる会社が直接雇う形に限られます。派遣で受け入れることも、派遣に出すこともできず、派遣にすると以後5年間は特定技能の外国人を受け入れられなくなります。

人数枠の数え方

1つの事業所で受け入れられる特定技能1号の人数は、その事業所の「日本人等」の常勤の介護職員の総数までです。「等」には、介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士、在留資格「介護」の人、永住者や日本人の配偶者などの人が入ります。

この数は、在留の申請に付ける「事業所の概要書」に書きます。書き方は次のとおりです。

介護分野における業務を行わせる事業所の概要書(分野参考様式第1-2号)の見本(例)数字は仮

①事業所の名称特別養護老人ホーム〇〇苑①
②現在受け入れている1号特定技能外国人の数3人②
③日本人等の常勤の介護職員の数計10人③
日本人8人
在留資格「介護」により在留する者1人
永住者や日本人の配偶者など,身分・地位に基づく在留資格により在留する者1人
  1. ①法人の名前ではなく、外国人が実際に働く事業所(施設・事業)ごとに1枚書きます。別の事業所で働かせるときは、その事業所の数で数え直します
  2. ②すでに受け入れている人数です。新しく受け入れる人を足しても、③の数を超えないかを確かめます
  3. ③「介護を主な仕事にしている常勤の職員」だけを数えます。技能実習生・EPA介護福祉士候補者・留学生と、事務職員・就労支援の職員・看護師・准看護師は入れません。ただし、病院で看護補助者として介護をしている職員と、その指導を同じ病棟でしている看護師は入れます

受け入れたあとで、外国人が働く事業所を変えるときは、入管に特定技能雇用契約の変更の届出を出し、その事業所の概要書を付けます。届出の種類と期限は、特定技能の届出一覧で確かめられます。

人員配置基準での数え方

人数枠とは別に、介護保険の事業所には「人員配置基準」があり、決められた数の職員を置かないと報酬を受けられません。特定技能1号の人は、この配置基準で、働き始めた日から職員として数えられます。

外国人の在留資格 配置基準に数える時期
特定技能1号 働き始めた日から
技能実習(原則) 実習開始から6か月後
技能実習(N2以上) 6か月を待たない

訪問介護で働いてもらう条件

特定技能の外国人は、2025年4月21日から、訪問系サービス(訪問介護や訪問入浴介護のように、利用者の家に行って介護をするサービス)でも働けるようになりました。ただし、働いてもらえるのは、介護職員初任者研修課程などを修了し、介護事業所などで原則1年以上の実務経験がある人だけです。

訪問系サービスで働かせてよいかは、入管に在留の申請をするときではなく、働かせる前に「巡回訪問等実施機関」(協議会の事務局がある国際厚生事業団)が確かめます。順番は次のとおりです。

訪問系サービスで働いてもらうまで
  1. 1研修と経験を確かめる介護職員初任者研修課程などを修了し、介護事業所などでの実務経験が原則1年以上あるかを確かめる
  2. 2報告書を出す5つの決まりを守れる体制と計画があることを、「訪問系サービスの要件に係る報告書」で巡回訪問等実施機関に出す
  3. 3適合確認書を受ける協議会の事務局から、その外国人についての適合確認書の発行を受ける
  4. 4利用者と家族に説明する外国人が訪問する場合があることや、その人の実務経験、事業所の連絡先を書いた書面を渡して説明し、署名をもらう
  5. 5同行して教える1人で訪問できると認められるまで、サービス提供責任者などが同行して教える
  6. 6毎年計画を出すキャリアアップ計画(評価期間1年)を、期間の終わりから4か月以内に巡回訪問等実施機関へ出す

報告書で守ると約束する5つの決まりは、次のとおりです。

試験と日本語

介護分野の特定技能1号になるには、介護の技能の試験と、介護の日本語の試験と、ふだんの日本語の試験の3つに合格する必要があります。

条件 中身
技能の試験 介護技能評価試験
介護の日本語 介護日本語評価試験
ふだんの日本語 JFT-Basic か N4以上

JFT-Basic は国際交流基金の日本語基礎テスト、N4 は日本語能力試験(JLPT)の級のことです。2026年1月23日の運用方針では、試験の名前が「介護特定技能評価試験(技能)」「同(日本語)」となり、ふだんの日本語は「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上と書かれているので、受け入れる前に新しい案内も確かめてください。

次の人は、試験の一部か全部が免除されます。

介護分野の協議会

介護分野で受け入れる会社は、在留の申請の前に、厚生労働省が設けた「介護分野における特定技能・育成就労協議会」の構成員になる必要があります。協議会から受け取る入会証明書には、外国人を受け入れる事業所が登録されます。

協議会に入るときのこと
  1. 1入会を申し込む国際厚生事業団の協議会申請システムで申し込む。事務局の確認が終わってから、通常2週間程度で入会証明書が出る
  2. 2在留の申請に付ける介護分野の誓約書と、入会証明書の写しを入管に出す
  3. 34か月以内に登録する外国人を受け入れた日から4か月以内に、協議会申請システムに外国人の情報を登録する

5年のあとに介護福祉士へ移る道

介護分野では、熟練した人は介護福祉士として在留資格「介護」で働けるため、特定技能2号はつくられていません。特定技能1号でいられるのは通算5年なので、長く働いてもらいたい人には、5年のうちに介護福祉士の国家試験に合格してもらう必要があります。

在留資格「介護」は、介護福祉士の資格を持つ人が、介護や介護の指導の仕事をするための在留資格です。2020年4月1日からは、どの道で介護福祉士の資格を取っても認められ、在留期間は5年、3年、1年又は3月です。

特定技能1号から在留資格「介護」へ移る流れ(例)
1年目特定技能1号で働き始める
3年たったころ実務経験3年と実務者研修で、国家試験の受験資格を得る
4〜5年目国家試験を受ける。5年目の試験は全パートを受ける
合格したら介護福祉士の登録をして、在留資格「介護」への変更を申請する

変更の申請には、介護福祉士登録証の写しを付けます。合格したら、5年の期限を待たずに早めに申請してください。

5年目の国家試験に落ちても、1パート以上に合格し、総得点で合格基準点の8割以上を取った人などは、特定技能1号の在留を最長1年延ばせます。2026年(第38回)の試験では、合格基準点64点の8割の52点以上が条件でした。

5年目の試験のあとに延長を申し込むときのこと
  1. 1学習計画をつくる受け入れる会社が本人と一緒に、翌年の合格を目指す学習計画(講座や研修の予定も入れる)をつくる
  2. 2確認を頼む確認依頼書・試験結果・在留カードの写し・学習計画を、受け入れる会社がまとめて厚生労働省に郵送する
  3. 3在留の更新を申請する厚生労働省の確認の結果を受けて、在留期限が来る前に入管に申請する

支援を登録支援機関に任せている場合、学習計画の「支援責任者」の欄には、登録支援機関の支援責任者を書きます。国家試験の合格発表のすぐあとに在留期限が来る人もいるので、学習計画は合格発表の前につくっておくと安心です。

支援を任せる登録支援機関

介護分野の外国人の支援も、ほかの分野と同じく、受け入れる会社が自分でするか、登録支援機関に任せます。登録支援機関の一覧に載せている33機関の公式サイトを2026年10月18日に開き、介護への対応を書いているかを確かめると、次のとおりでした。

掲載33機関の公式サイトで、介護への対応を確かめた結果
登録支援機関の一覧に掲載33機関
介護を対応分野として書いている9機関
そのうち料金を公開している8機関

公式サイトに書いていなくても、介護分野の支援をしている機関はあります。なので、「介護分野の特定技能の外国人を何人支援していますか。5年目の延長の学習計画で、支援責任者として名前を書いてもらえますか」と聞いておくと確実です。

各機関の介護への対応は、登録支援機関の一覧の各機関のページで見られます。支援の10項目の中身は義務的支援10項目の中身と委託先の確かめ方で、委託料の見積もりの読み方は登録支援機関の委託料の相場と見積書の読み方で確かめられます。

決める前に立ち止まる場面

2027年4月からは、技能実習に代わる育成就労が始まり、介護分野も対象になります。育成就労と特定技能の関係は、育成就労と特定技能・登録支援機関の関係で確かめられます。海外から呼ぶ場合と日本にいる人を雇う場合の手順の順番は、特定技能の外国人を受け入れるまでの流れと期間で確かめられます。

今日やること

  1. 1事業所ごとに人数を数える受け入れたい事業所の、日本人等の常勤の介護職員の数と、今いる特定技能1号の人数を書き出す
  2. 2協議会の証明書を確かめる入会証明書があるか、受け入れる事業所が登録されているか、有効期限がいつかを見る
  3. 3委託先に聞く登録支援機関の一覧で介護に対応する機関を選び、「介護分野の支援の人数と、1年目の総額の見積もりをもらえますか」と聞く

出典